いよいよ、今週から始まる。多く方にとって、待望の“ツアー”ではないだろうか。10月19日(水)に京都「磔磔」で“苗場限定・門外不出”(!?)だった苗場音楽突撃隊、20日(木)に同じく京都「磔磔」でROCK’N’ROLL GYPSIES、そして、24日(月)に東京「渋谷CLUB QUATTRO」でROCK’N’ROLL GYPSIESと苗場音楽突撃隊が出演するのだ。ROCK’N’ROLL GYPSIESだけでなく、苗場音楽突撃隊も見ることができる。これは貴重で特別な機会である。
この7月、8月にROCK’N'ROLL GYPSIESが大阪、広島、東京、名古屋の「CLUB QUATTRO」にて開催した『ROCK’N'ROLL GYPSIES 2022 CLUB QUATTRO TOUR <Honest I do.>』に胸を熱くされた方も多いのではないだろうか。本2022年3月13日(日)に京都「磔磔」で有観客配信ライブをしているものの、配信ではなくリアル、それも有観客でツアーとなると、久しぶりのこと。それまでストレスを抱えていたというか、隔靴掻痒の思いをしていた観客にとっては、ようやく“解禁”、そして“本格始動”と言っていいだろう。
そのツアーの模様は7月10日(日)に東京・渋谷「CLUB QUATTRO」で開催された『ROCK’N'ROLL GYPSIES 2022 CLUB QUATTRO TOUR <Honest I do.>』のライブリポートとして、既に『福岡BEAT革命』のFBページに紹介している。今回は、<HOPE Vol.1–上洛><HOPE Vol.2 ><HOPE Vol.3->の“予習”として、再掲載する。しっかり読んでいただき、来るべき日に備えてもらいたい。なお、今回の掲載に合わせ、一部、内容を修正している。ご了解いただきたい。
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7月10日(日)に東京渋谷「CLUB QUATTRO」で開催された『ROCK’N'ROLL GYPSIES 2022 CLUB QUATTRO TOUR <Honest I do.>』の東京公演を見た。本来であれば、見てからすぐに書けばいいのだが、セットリストをいただいていて、公開するなら8月9日(火)の名古屋公演(当初は6月17日に名古屋でツアー初日を迎えるはずだったが、市川勝也のコロナ感染のため、8月9日に延期、振替公演になった)が終わってからということになった。それゆえ、掲載が遅れてしまった。申し訳ない。
メンバーが開演時間を10分ほど過ぎ、午後6時10分にBGMとともに会場を埋めた観客の前に現れ、ステージに登場する。いつもの4人だが、心なしかドレスアップしているようだ。今回のツアーは「RUDE GALLERY」が衣装協力している。ハレとケならばハレの場か。
まず、その出音に驚く。当たり前だが、配信で聞くのと、リアルで聞くのでは音が違う。その轟音が身体を包み、心と身体の奥底から震撼させる。すべての楽器が破格の音を纏い、4人の“ヴィルトゥオーソ”(格別な技巧や能力を持つ名人、達人の域に達した演奏者)による“共演”は聞くものを圧倒していく。
そして、花田裕之のギターとヴォーカル、下山淳のギターとマンドリン、ヴォーカルをフィチャーしながらセットリストが進んでいく。直截で無骨なまでに源流を遡る花田、屈折しながら音の色彩の描く下山という、音楽性や個性の違いが際立ち、それがROCK’N'ROLL GYPSIESの音楽の幅にもなっている。
市川勝也のポップなベースが心地良く跳ね、池畑潤二のドラムが人間火力発電所、ビートのダイナモとなって、ROCK’N'ROLL GYPSIESを転がす。
やはり、この4人でなければ作りえない世界が目の前に広がる。リアルにその音の渦に巻き込まれたら脱出不可能。虜になって、昇天するしかないだろう。
「Frame Up Boogie」や「ランブル・ハート」、「只の夢」、「Old Guitar」など、お馴染みのナンバーから“北九州時代の歌”と告げ、演奏した人間クラブの「ふにゃふにゃ」、ジョン・レノンの「I'm Losing You」」という“事件”を彷彿させる意外なカヴァーまで、期待を裏切らない名曲のオンパレードである。メンバーが午後7時40分、ステージから消えるまで、1時間30分のROCK’N'ROLL GYPSIESの“世界”を思い切り、堪能させてもらった。
観客のアンコールを求める拍手とマスク越しの歓声が会場を満たす。拍手と歓声に応えるかたちで、メンバーは数分で戻ってくる。そして演奏されたのは「LADY COOL」と「NEON BOY」だった。いうまでもなくTHE ROOSTERZのナンバーである。まさかのTHE ROOSTERZナンバーに会場は一気に沸き立つ。自らの“クラシック”を歌い終えると、ステージから消える。やがて、客電がついて、ライブの終了を告げられたが、この日は観客のもっとという思いが強いのか、拍手は鳴りやまない。何人かは諦め、客席のドアを開け、ロビーフロアへと足を向ける。しかし、そんな状況でも観客は拍手をやめない。5分ほどすると、メンバーがステージへ戻って来る。意外な再登場に観客も驚きながらも歓喜の笑顔と拍手で彼らの帰還を歓迎する。
そして演奏されたのはTHE ROOSTERSの「どうしようもない恋の唄」、さらに村八分の「夢うつつ」という日本のロック史に残るリアル“クラシック”を畳みかける。彼らのリアルライブを待ちわびた観客にとって、これ以上のプレゼントはないだろう。大きな余韻を残したまま、彼らはステージから消える。この日のライブは2回のアンコールで終わった。時計は午後8時過ぎを指している。2時間ほどのライブながら、その場にいたものにとっては、まさに至福の時間ではなかっただろうか。配信でのアームチェアーオーディエンスではなく、リアルライブでのオールスタンディングオーディエンス、肉体が悲鳴を上げても歓喜が疲労を凌駕していく。誰もが心地良い、酩酊状態に陥る。まさにROCK’N'ROLL GYPSIESに酔いしれる。やはり、リアルライブゆえのこと。会場を後にする観客がいずれも上気したような顔をしていたのが印象的だった。改めて言うまでもないが、とてつもないバンドだ。
本2022年、ROCK’N'ROLL GYPSIESは3月13日(日)の京都「磔磔」、今回のツアーも短いながら10日(日)に東京「渋谷CLUB QUATTRO」を前に7月1日(金)に「梅田CLUB QUATTRO」、8日(金)に「広島CLUB QUATTRO」と、ライブを重ねている<前述通り、延期になった名古屋公演は8月9日(火)に「名古屋CLUB QUATTRO」で開催>。それ以前にここ数年、花田は“流れ”とともにband HANADAも無観客配信ライブながら再始動させ、下山はTH eROCKERS、THE ROOSTERZの穴井仁吉との「穴山淳吉」を母体にアカネ&トントンマクート、Eli and The Deviants、池畑は山口洋とのデュオやHEAT WAVE、SION&THE MOGAMI、市川はPOT SHOTやJUN SKY WALKER(S)……と、全国各地をライブで回っている。そんな経緯があって、4人がROCK’N'ROLL GYPSIESとして集まる。そのライブがヒートアップし、観客のボルテージが上がるというのも当然のことだろう。
いわば、最高の状態にある、彼らを体験できる貴重な機会である。既に今回の『ROCK’N'ROLL GYPSIES 2022 CLUB QUATTRO TOUR <Honest I do.>』は全日程を終えている。しかし、続きがあった――。
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そんな続きが今週から始まるROCK’N'ROLL GYPSIESと、苗場音楽突撃隊の<HOPE Vol.1–上洛><HOPE Vol.2 ><HOPE Vol.3->だ。
また、10月22日(土)にはROCK’N'ROLL GYPSIESとして、北九州・高塔山野外音楽堂で開催される『高塔山ロックフェスティバル2022』にも出演する。同フェスにはShinya Oe & Super Birds、BLUE TONICも出演する。Shinya Oe & Super Birdsに穴井仁吉がサポートとして出演する。いうまでもなく、穴井は“LAST FOUR”の一員である。この日は“ORIGNAL FOUR”の4人(大江・花田・井上・池畑)、“LAST FOUR”の3人(花田・下山・穴井)が一堂に会することになる。ROOSTER達の揃い踏みでもある。
それにしてもROCK’N'ROLL GYPSIESの池畑潤二を始め、花田裕之、下山淳、Shinya Oe & Super Birdsの大江慎也、そしてBLUE TONICの井上富雄と、自らのバンドだけでなく、ソロやセッションなど、いずれも還暦超えながらもいまも躍動している。デビューして40年が経つにも関わらず、伝説に埋まることなく、現役として輝き、多くのアーティストに影響を与えている。それは音楽のみならず、映像や美術、服飾などの文化にも波及する。こんなバンドはそういるものではない。過去の音を掘るのも悪くないが、現在進行形の彼らに触れてもらいたい。ROCK’N'ROLL GYPSIES の上記の日程を始め、池畑と花田は10月30日(日)に日比谷野外大音楽堂で開催されるSION&MOGAMIの『SION-YAON 2022 』、池畑と花田と井上は10月28日(金)に東京・六本木「EX THEATER ROPPONGI」で開催される『レッドシューズ 40』、下山は11月3日(水・祝)に所沢「MOJO」でアカネ&トントンマクートのライブ、band HANADA(井上も参加している)は2022年11月4 日(金)に横浜「THUMS UP」で久しぶりの有観客ライブ、井上富雄は11月23日(水・祝)に「KT Zepp Yokohama」、27日(日)に「Zepp Namba (OSAKA)」で開催される『名盤ライブ Vol.3 Sweet16 佐野元春』……に出演するなど、枚挙にいとまないのだ。詳しくは彼らのHPやFB、SNSなどを参考にしてもらいたいが、しかし、こんなことになるなんて、42年前には本人を含め、誰が想像しただろうか。60代のROOSTER達、彼らの活躍からいまも目が離せない。
『苗場音楽突撃隊』&『ROCK’N’ROLL GYPSIES』
10月19日(水)
<HOPE Vol.1–上洛->
苗場音楽突撃隊@磔磔
料金:前売6500円/当日7000円
18:00開場・19:00開演
『苗場音楽突撃隊』
花田裕之 G/Vo
池畑潤二 Dr
ヤマジカズヒデ G/Vo
細海魚 Key
隅倉弘至 B
青木ケイタ Sax
タニーホリディ Vo
10月20日(木)
<HOPE Vol.2 >
ROCK’N’ROLL GYPSIES@磔磔
料金:前売6500円/当日7000円
18:00開場・19:00開演
10月19日&20日
2日間通し券 ¥12,000
磔磔チケットはこちらから!
10月24日(月)
<HOPE Vol.3->
『苗場音楽突撃隊』 &『ROCK’N’ROLL GYPSIES』
@渋谷クラブクアトロ
18:00開場・19:00開演
料金:前売7000円/当日7500円
渋谷クラブクアトロチケットはこちらから!!
『苗場音楽突撃隊』
花田裕之 G/Vo
池畑潤二 Dr
ヤマジカズヒデ G/Vo
細海魚 Key
隅倉弘至 B
青木ケイタ Sax
タニーホリディ Vo
SUGAR SPECTOR Vo
<苗場音楽突撃隊>
FUJIROCK FESTIVALの盛り上げるバンドとして、2011年より毎年苗場食堂ステージのオープニングを飾る。2013年からは毎年グリーンステージでパフォーマンスを展開している【ROUTE17 Rock’n’Roll ORCHESTRA】の母体となる。毎回シークレットでフジロック出演のアーティストからゲストヴォーカルが選ばれる。『苗場音楽突撃隊』FUJIROCK以外での初ステージ!
高塔山ロックフェス 2022
ロックレジェンド故シーナ(シーナ&ロケッツ)の2004年『高塔山でロックがしたい』という言葉から始まったロックフェス。今流行のジャンルレスな巨大フェスとは違った、いわゆる『めんたいロック』の起源、鮎川 誠&シーナとルースターズが出会い、音を育んだ想い出の地で開催される福岡を代表するルーツロックフェスだ。
出演:
・シーナ&ロケッツ
・ROCK'N'ROLL GYPSIES
・Shinya Oe & Super Birds
・BLUE TONIC
・戸川純
・PULP
・175R & N9S All Stars
・中村義人(横道坊主)with 佐野マサルBAND
・ARIENT
・THE GRYDER(ex.NEW DOBB)+MEENA+GO!GO!GIRLS
高塔山ロックフェス 2022
日時:2022.10.22(土)
開場 9:30 開演 9:50 終演 20:00(予定)
会場:北九州市若松区高塔山野外音楽堂
※小雨決行(荒天時は小倉井筒屋 新館9F パステルホールにて開催)
料金:前売り 5,000円 当日 5,500円
※入場時に1ドリンクチケット代 500円が必要です。
◎販売:BASE高塔山ロックフェス ショップ
配信:9月22日よりイープラス(Streaming+)にて発売開始(予定)
主催:GRYDER WORKS Inc.
☆詳しくはホームページでご確認ください。
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