1979年7月のことだった。あるイベント(いうまでもなく、かの“L-MOTION ROCK FESTIVAL”である)の取材で訪れた福岡で、まだ、アマチュア・バンドだったザ・モッズやザ・ロッカーズと出会っている。彼らに話を聞き、同時にライブハウスやイベンターに取材もした。その時、福岡は“いま一番燃えているロック・シティだ”という確信を得ている。それ以来、“福岡詣で”が始まるが、その思いは40年を経てもまったく変わらない――。
この新型コロナウイルス禍の中、エンターテインメント産業は苦境に陥り、そこから抜け出すため、様々な試みをしている。福岡もその例外ではなく、大きな打撃を受けたが、福岡のビートは止まらない、未曾有の危機に音楽都市・福岡は果敢に立ち上がった。
福岡では“FUKUOKA MUSIC MONTH”として毎年9月に“サンセットライブ”や“中洲ジャズ”、“九州ゴスペルフェスティバル”、“福岡アジアンピックス”、“MUSIC CITY TENJIN”など、毎週末に音楽フェスが開催されるが、今年は毎日ライブ配信という形で“音楽の9月”を楽しむことになった。ライブハウスを中心に17施設から毎日オンラインライブ配信している。
そもそも“FUKUOKA MUSIC MONTH”は2014 年、福岡で 9 月に開催される 5 つの音楽イベントが「FUKUOKA MUSIC MONTH」として一つに集結。“音楽都市・福岡”として全国・アジアに向けた情報発信を実施することで、広域集客などによるさらなる街の賑わい創出と音楽産業の振興を目指した取り組みである。
2020年ほど、創出と復興が必要とされる年はないだろう。今回、毎日ライブ配信を行う17施設はコロナで第一波の際に打ち出した「ライブハウスなどがオンライン配信を行う時の機材代を上限50万円の補助する」という福岡市の支援策を活用。福岡のビートを止めないチャレンジをしているという。
そして、福岡に脈々と流れてきたビートは未来へ――。“FUKUOKA MUSIC MONTH”の総合プロデューサーの深町健二郎が中心となって福岡の音楽産業支援キャンペーン「MUSIC ACTION FUKUOKA(=MAF)」(supported by SPACE SHOWER)をスタートさせた。同キャンペーンから生まれたチャリティ・アンセムソング「Beat Goes on」を9月1日に公開している。
同曲はBiSH、BiS、豆柴の大群、柴咲コウ、中川翔子らの楽曲を手がけてきた松隈ケンタをサウンドプロデューサーに迎え、作詞を深町健二郎、作曲を松隈が担当し、鮎川誠(シーナ&ロケッツ)、松隈率いるBuzz72+のメンバーがレコーディングに参加。さらに鶴久政治(元チェッカーズ)、百々和宏(MO'SOME TONEBENDER)、田渕ひさ子(NUMBER GIRL、toddle)……など、福岡を愛するものが集い、音楽への愛を歌にしている。そのプロモーションビデオにはカンニング竹山、田口浩正、HKT48など、福岡所縁のアーティストやタレントが総勢60組、100名も参加しているという。
「Beat Goes on」の作詞とエクゼクティブ・プロデュースは“FUKUOKA MUSIC MONTH”の総合プロデューサーの深町健二郎が手掛けている。彼はミュージシャン、コメンテーター、パーソナリティーとしても活躍。陣内孝則とも学生時代から親交が深く、彼の自伝をベースにした映画『ROCKERS』のコーディネイターも務めている。彼は同曲について、“熱い思い”を語る。
「曲を制作するにあたって、動きが取り辛い時期でもあるし、圧倒的に時間が足りないなど、何度も心が折れそうになりましたが、松隈ケンタくんの楽曲にその都度鼓舞され、少しずつ、そして確実に増えていった賛同者の熱い福岡魂が、背中を押し続けてくれました。FBのタイムラインには挙げきれないほどの数々の協力者の顔が浮かぶにつれ、今でも胸が熱くなります。
歌詞にシーナ&ロケッツやモッズ、ロッカーズ、ルースターズ、ARBの歌詞を引用したのは福岡の魂を注入したいということで、ケンタくんに提案したら、彼も賛同してくれて。曲自体もビート系のナンバーなんで、より“めんたいカラー”を出したいと思い、敢えて引用しました。彼らの歌は僕たちの血や肉となり、それは魂のよりどころでもあります。
また、何かを犠牲にして、音楽の力を信じて動いてくれた、福岡ミュージックマンスの仲間達を誇らしく思います。どんな困難な状況にぶつかっても、ビートは止まらない!
そして、困難を抱えているのは福岡だけではありません。いろんな街で大変な思いをしている人がたくさんいます。しかし、俯いて、下を向いてばかりではいけません。Youtubeで、「Beat Goes on」を公開後、福岡在住の人や福岡を故郷にする人だけでなく、福岡と関係なくてもその曲の力に勇気づけられたという人がたくさんいました。福岡のためにと思っていましたが、いまは曲が独り歩きし始めている。折れにそうになった心が少しでも元気になっていただければと思っています」
その歌詞ににやりとし、ビデオに驚いてほしい。福岡の熱い思いと温かい心意気が堪能できる。福岡のビートは止まらない。そして、そのビートは全国に伝播していく。BEAT GOES ON――そんな言葉をタイトルにした素敵な楽曲の誕生だ。
【レコーディングクレジット】
Beat goes on
作詞:深町健二郎、松隈ケンタ 作曲:松隈ケンタ 編曲:Buzz72+
Guitar:松隈ケンタ Guitar:鮎川誠 Guitar:田渕ひさ子 Guitar:tatsuo Bass:北島ノリヒロ Drums:轟タカシ Chorus:池上ケイ Chorus:福岡スクールオブミュージック&ダンス専門学校の皆様
Exective Producer:深町健二郎 Sound Producer:松隈ケンタ
【出演者】
鮎川誠 / シーナ / LUCY / 浦田賢一(サンハウス) / 鶴久政治 / 百々和宏(MO’SOME TONEBENDER) / 田渕ひさ子(NUMBER GIRL) / 松隈ケンタ / Buzz72+ / tatsuo / カンニング竹山 / 石原良純 / 田口浩正 / 振付稼業air:man / コンバット満 / ケン坊田中 / 高田課長 / 黒瀬純(パンクブーブー) / マサル / 九州新喜劇 / 博多おっしょいズ / ゴリけん / パラシュート部隊 / 波田陽区 / 町田隼人/ HKT48 / LinQ / ばってん少女隊 / チャントモンキー(BiS) / 高島宗一郎(福岡市長) / 田畑⻯介(RKBアナウンサー) / 宮本啓丞(KBCアナウンサー) / ⻑岡大雅(KBCアナウンサー) / 橋本真衣(TNCアナウンサー) / 結城亮二(TVQアナウンサー) / 若林麻衣子(FBSアナウンサー) / 斉藤ふみ / 中上真亜子 / 内村麻美 / 吉本一椛 / 大島向葵 / fumika / バンバンバザール / Leetspeak monsters / 池上ケイ / ヒロ(イーシス) / FREAK / YASS(ビーグルクルー) / 坂田隆一郎(10神ACTOR) / 九星隊 / ヤバイ仮面 / オーガマン / 空狐3000 / 猫jealousy / Theコットンクラブ / ⻁太朗 / 岡部諒輔 / 米岡誠一 / 栗田善太郎 / 深町健二郎 (敬称略・順不同)
MUSIC ACTION FUKUOKA
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